• #TIPS

会社のSNS担当になったらまず何をする?不安を解消し成果を出す初動ステップ

会社のSNS担当になったらまず何をする?成果を出すための初動ステップを徹底解説。運用の目的設定やターゲット選定から、炎上を防ぐルール作り、ネタ切れ・社内調整などの「辛い壁」の乗り越え方まで。未経験でも安心できる企業アカウント運用の教科書です。

4

公開日 / 更新日

「明日から会社のSNS運用を任せた」と突然言われ、何から手をつければよいのか分からずに困惑している人は少なくありません。

個人のアカウントとは異なり、企業としての発信には責任が伴うため、不安を感じるのは当然のことです。

しかし、正しい手順を踏んで土台を作れば、SNSは企業の強力な資産になります。

本記事では、SNS担当者が最初に取り組むべきステップから、運用を軌道に乗せるための具体的な方法までを解説します。

投稿より先に「運用の目的」を明確化しよう

SNS運用を始める際、多くの人が「どんな投稿をしようか」といきなりコンテンツの内容を考えてしまいます。

しかし、投稿内容を決める前に最も重要なのは、その運用の「目的(ゴール)」をはっきりさせることです。目的が曖昧なままだと、発信内容に軸がなくなり、期待する成果が得られにくくなります。

なぜ企業SNSをやるのか?ゴール設定の重要性

企業がSNSを活用する理由は多岐にわたりますが、自社が何を目指しているのかを言語化しておく必要があります。

ゴール設定は、日々の運用における判断基準となります。例えば、単にフォロワー数を増やすことを目的とするのではなく、最終的にどのような成果につなげたいのかを考えなければなりません。

以下のような指標を用いて、具体的なゴールを設定することをお勧めします。

目的目指すべき状態(ゴール)重視する指標
認知拡大自社ブランドや商品を知らない人に名前を覚えてもらうインプレッション数(表示回数)、リーチ数
ブランディング企業の理念や世界観に共感してもらい、好感度を高めるエンゲージメント率(いいね、シェア、コメント)
採用広報求職者に社内の雰囲気を伝え、エントリー数を増やす採用サイトへの遷移数、DMでの問い合わせ数
販促・集客商品購入やサービス申し込みにつなげるURLクリック数、コンバージョン数(購入完了数)

これらを定めることで、上司への報告もしやすくなり、運用方針がブレることを防げます。

認知拡大かファン化か?ターゲットの絞り込み

目的が決まったら、次は「誰に」情報を届けたいのかを明確にします。

ターゲットが異なれば、選ぶべきSNSのプラットフォームや、発信するメッセージのトーンも変わってきます。例えば、若年層に向けたアパレルブランドであればInstagramやTikTok、ビジネス向けのITツールであればX(旧Twitter)やFacebook、LinkedInなど、ターゲットごとに適したSNSを選択すると良いでしょう。

なお、ターゲットを絞り込む際は、以下のような「ペルソナ(架空の顧客像)」を設定すると、投稿内容をイメージしやすくなります。

  • 基本属性
    年齢、性別、居住地、職業、役職、年収
  • 興味・関心
    趣味、休日の過ごし方や、よく利用するWEBメディアやSNS
  • 悩み・課題
    仕事や生活で抱えている不満や、解決したいと考えていること

ターゲットを具体的に描くことで、「この人にならどのような言葉をかければ響くか」が見えてきます。

「SNS担当は辛い」と感じる3つの壁と乗り越え方

SNS担当者は、日々の投稿作成や数値管理など、地道な作業の連続に追われます。

また、即座に成果が出にくい分野であるため、精神的な負担を感じることも珍しくありません。

ここでは、多くの担当者が直面する「3つの壁」と、その対処法について解説します。

ネタ切れとプレッシャーへの対処法

毎日投稿を続けようとすると、必ずと言ってよいほど「投稿するネタがない」という悩みに直面します。また、「面白いことを言わなければならない」というプレッシャーも担当者を苦しめる要因です。

これらを解決するには、ゼロからアイデアを出すのではなく、情報を整理して発信する仕組みを作ることが有効です。

以下は、ネタ切れを防ぐためのアイデアソースとなります。これらを「投稿カレンダー」としてスケジュール化しておけば、毎日のネタ探しに悩む時間を大幅に削減できます。

  • 社内行事や日常風景
    オフィスの様子、社員のランチ、会議の裏側など、飾らない日常を見せる。
  • 既存コンテンツの再利用
    過去のブログ記事、プレスリリース、社内報の内容をSNS向けに要約する。
  • 今日は何の日
    季節のイベントや記念日に絡めて、自社商品やサービスを紹介する。
  • ユーザーの声
    実際に寄せられた質問への回答や、利用者の感想を紹介する。

社内の理解不足をどう解消するか

SNS運用は、売上などの数字に直結するまでに時間がかかります。そのため、社内からは「SNSなんてやって意味があるのか」「遊んでいるように見える」といった厳しい目で見られることがあります。

こうした理解不足を解消するには、定期的な共有と、定性的な成果のアピールが必要です。

社内の理解を得るためには、以下のようなアクションを行ってください。

  • 週次・月次でのレポート共有
    フォロワーの推移だけでなく、どんな投稿が反応良かったかを可視化して報告します。
  • ユーザーの声を共有
    「SNSを見て来店しました」「この投稿が役に立ちました」といった具体的なコメントを社内に展開し、顧客との接点になっていることを示します。
  • 他部署を巻き込む
    商品開発部や営業部の社員にインタビューを行うなど、運用に関わってもらうことで当事者意識を持ってもらいます。

小さな成果でも可視化して伝え続けることが、周囲の協力を得るための第一歩です。

孤独な運用体制を変えるチーム作りのヒント

「SNS担当は自分ひとり」という、いわゆる「ひとり広報」の状態は、孤独感や業務過多に陥りやすい環境を生み出しやすいです。

そのため、以下のようなステップをふみ、一人ですべてを抱え込まず周囲を巻き込むことで、運用担当者の負担が減るだけでなく、会社全体でSNSを盛り上げようという雰囲気が醸成されます。

  1. 写真撮影の協力を仰ぐ
    イベント時などに、他の社員にもスマホで写真を撮ってもらうよう依頼します。
  2. 投稿ネタの募集箱を設置
    チャットツールなどで「SNSネタ募集チャンネル」を作り、気軽な投稿を促します。
  3. 持ち回り投稿の実施
    週に1回は担当者以外が投稿する日を作り、多様な視点を取り入れます。

企業アカウントを守る「運用ルール」の策定

SNSは拡散力が強いため、一度の失言が大きなトラブルに発展する「炎上」のリスクがあります。

企業ブランドを守るためには、投稿の自由度を保ちつつも、最低限のルールを設けておくことが不可欠です。

炎上リスクを防ぐ!企業SNSの必須注意点

炎上の多くは、配慮に欠けた発言や、情報の誤りから発生するため、投稿前に必ず確認すべきチェックリストを作成し、リスク管理を徹底してください。

特に、個人のアカウント感覚で操作していると、うっかり企業の公式アカウントで不適切な発信をしてしまう「誤爆」の危険もあります。

以下に投稿前のリスク管理チェックリストをまとめたので、投稿する際の参考にしてみてください。

確認項目チェック内容
機密情報まだ公開してはいけない新商品情報や、顧客の個人情報が映り込んでいないか。
著作権・肖像権他社の画像を無断使用していないか。映り込んでいる人の許可は取れているか。
差別・誹謗中傷特定の個人、団体、思想を攻撃したり、不快にさせる表現が含まれていないか。
ジェンダー・ポリティクス性別による役割の固定観念や、政治的・宗教的な偏りがある内容ではないか。
アカウント切り替え私用アカウントと企業アカウントを間違えていないか。

トーン&マナーを決めて「中の人」の迷いをなくす

「トーン&マナー(トンマナ)」とは、発信における雰囲気口調のルールのことです。

ここが決まっていないと、投稿ごとにキャラが変わってしまい、ユーザーに不安定な印象を与えてしまいます。また、担当者が変わった際の引き継ぎもスムーズになります。

具体的には、以下のような項目を定めておくと文章が書きやすくなります。

  • 一人称の呼び方
    私、弊社、当社、〇〇(企業名)、中の人
  • 文末の表現
    「~です、~ます」調(丁寧)か、「~だ、~ね」調(フレンドリー)か
  • 絵文字・顔文字の使用
    使用OKかNGか、使用する場合の頻度や種類の制限
  • コメント返信のスタンス
    すべてのコメントに返すか、質問のみに返すか、あるいは「いいね」のみにするか

ブランドイメージに合わせて、親しみやすさを出すのか、信頼性を重視するのかを決定します。

承認フローを整備して投稿の質を担保する

ミスを防ぐためには、投稿内容を第三者が確認する「承認フロー(ダブルチェック体制)」を構築することが望ましいです。

特に運用初期や、キャンペーン告知などの重要な投稿を行う際は必須と言えます。以下は承認フローの参考です。

1原稿作成担当者がスプレッドシートや投稿管理ツールで、テキストと画像を用意
2上長または別担当者の確認誤字脱字、リンク切れ、リスクチェックリストに基づいた確認を実施
3修正・承認指摘事項があれば修正し、問題なければ投稿予約を設定
4投稿後の確認実際に投稿された画面を見て、レイアウト崩れなどがないか最終確認

成功パターンから掴む「共感される投稿」のコツ

SNSでフォロワーを増やし、エンゲージメントを高めるためには、ユーザーからの「共感」が鍵となります。一方的な情報の押し付けではなく、ユーザーが反応したくなるコンテンツ作りを心がける必要があるでしょう。

宣伝ばかりはNG!ユーザー目線のコンテンツ作り

企業アカウントでやりがちな失敗が、自社商品の宣伝ばかりを投稿してしまうことです。

ユーザーは広告を見るためにSNSを開いているわけではありません。自分にとって「有益である」「面白い」「共感できる」と感じる情報に価値を感じます。

以下は公式SNSのコンテンツのバランス(4:1の法則)の例です。

コンテンツバランスコンテンツ概要
お役立ち情報・共感コンテンツ8割・業界の豆知識
・商品の意外な活用法
・スタッフの裏話や開発秘話
・季節の話題
宣伝・告知2割・新商品の発売情報
・キャンペーンのお知らせ
・セールの告知

このように、まずはユーザーに価値を提供し、信頼関係を築いた上で宣伝を行うという順序を守ることが大切です。

写真や動画はどうする?素材準備のポイント

「プロが撮ったような綺麗な写真がない」と悩む必要はありません。

SNS、特に日常的な投稿においては、作り込まれた画像よりも、スマートフォンで撮影したリアルな写真の方が親近感が湧き、反応が良い傾向にあります。

  • 手元撮影
    商品を使っている手元や、パソコン作業中の様子など、人物の顔を出さなくても雰囲気は伝わります。
  • オフィスの風景
    エントランス、会議室、デスク周りの小物など、社内の空気感が伝わる場所。
  • テキスト画像
    有益な情報を箇条書きにして、シンプルな背景に乗せた画像(Canvaなどの無料ツールで簡単に作成可能)。

完璧を目指さず、まずは「伝えること」を優先して素材を用意してみましょう。

SNS担当に向いている人の特徴

「デジタルネイティブでないとSNS担当は務まらない」と考えるのは誤りです。

ツールの操作方法は覚えれば誰でも習得できますが、SNS運用において真に重要なのは、画面の向こうにいる相手を想像する力です。

デジタルの知識以上に大切な「コミュニケーション力」

SNSは「Social Networking Service」の略であり、本質はコミュニケーションツールです。

そのため、対面での接客や営業が得意な人、あるいは社内の調整が上手な人が、実はSNS担当に向いていることがよくあります。具体的なスキルには以下のようなものがあります。

  • 共感力
    ユーザーがどんな気持ちでその投稿を見るかを想像できる力。
  • マメさ
    コメントへの返信や、毎日の投稿をコツコツ継続できる勤勉さ。
  • アンテナの感度
    世の中のトレンドや、社内の小さなニュースを敏感にキャッチする力。

このように、技術的な知識よりもこのようなソフトスキルを持っているかどうかが、長期的な運用の成否を分けます。

数値を分析して改善を楽しめるマインド

投稿して終わりではなく、その結果を振り返り、次に生かすプロセスが重要です。

「なぜこの投稿はいいねが多かったのか」「なぜこの投稿はあまり見られなかったのか」を考え、仮説と検証を繰り返すことが求められます。

【簡単な分析サイクルの回し方】

  1. 仮説:「週末の夜はリラックス系の話題が好まれるのではないか」
  2. 実行:金曜日の20時に、社内のカフェスペースの写真を投稿してみる。
  3. 検証:インプレッション数やいいね数を確認する。
  4. 改善:反応が良ければシリーズ化し、悪ければ投稿時間を変えてみる。

このように、ゲーム感覚で数値の変化を楽しめる人は、SNS担当者として大きく成長します。

売上につなげる!ECサイトとSNSの連携ポイント

SNS運用の目的が商品の販売である場合、ECサイトとのスムーズな連携が欠かせません。SNSは認知の入り口であり、そこから購入ページへいかにストレスなく誘導できるかがカギとなります。

ECサイト連携の具体策の例を以下にまとめました。

ショッピング機能の活用Instagramのショッピング機能など、画像をタップするだけで商品ページへ飛べる機能を導入します。
プロフィール欄の最適化リンクツリーなどのサービスを使い、キャンペーンページや人気商品ランキングなど、複数の導線を設置します。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用購入者が投稿した写真や感想(UGC)を、許可を得て自社アカウントで紹介します。第三者の評価は、購入を迷っているユーザーの背中を押す強力な材料になります。

「SNSで見て気になり、タップして詳細を知り、そのまま購入する」という一連の流れをデザインすることが重要です。

孤独な運用に限界を感じたらプロを頼る選択肢

ここまで紹介したステップをすべて社内で行うことが理想ですが、他の業務と兼任している場合、どうしても時間が足りなくなることがあります。

そのような場合は、外部の専門家の力を借りることも一つの戦略です。SNS運用代行サービスを利用することで、戦略立案から投稿作成、コメント返信、レポート作成までの業務を委託できます。

【外部委託の主なメリット】

  • クオリティの担保
    • プロのノウハウに基づいた質の高い投稿を継続できます。
  • 最新トレンドの反映
    • 常に変化するアルゴリズムやトレンドに対応した施策が打てます。
  • 社内リソースの節約
    • 担当者は本来のコア業務に集中でき、全体の生産性が向上します。

すべてを丸投げするのではなく、「画像作成だけ」「分析だけ」といった部分的な依頼が可能なサービスも増えているため、効率的なアカウントの成長に向けて検討してみると良いでしょう。