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成果が出るABテストのやり方|ECサイトで失敗しない手順とツールの選び方

【EC担当者必見】Webサイトの改善に欠かせないABテストのやり方をステップ形式で紹介します。仮説の立て方や無料プランのあるツールの選定、ファーストビュー等の具体的な改善案まで解説。リソース不足でも効率的に検証を行うためのポイントがわかります。

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ECサイト運営において、売上の伸び悩みは尽きない課題です。

特にクリエイティブの変更効果は見えにくいため、客観的に良し悪しを判断する「ABテスト」が重要になります。

本記事では、初心者の方にも分かりやすく、成果が出る手順やツールの選び方、注意点を解説します。確実な改善サイクルを作るための参考にしてください。

ABテストは意味ない?実施すべき理由と基本の考え方

ABテストとは、Webサイトの一部分(画像や文章など)について、Aパターン(従来のもの)とBパターン(変更したもの)の2つを用意し、ユーザーにランダムに表示させて、どちらがより高い成果を出せるかを検証する手法です。

手間がかかるため「意味がないのではないか」と疑問を持たれることもありますが、ECサイトの売上を最大化するためには非常に有効な手段といえます。

なぜなら、感覚や経験則だけに頼ったサイト改善は、時にユーザーの心理と食い違うことがあるからです。ABテストを行うことで、実際のユーザー行動に基づいた「正解」をデータとして導き出すことが可能になります。

【ABテストを実施する主なメリット】

  • 低リスクでの改善が可能
    サイト全体をリニューアルするのとは異なり、一部分だけの変更でテストできるため、失敗した際のリスクを最小限に抑えられます。
  • 費用対効果が高い
    広告費を増やして集客数を増やすよりも、サイトの成約率(コンバージョン率)を高めるほうが、一般的にコストパフォーマンスが良いとされています。
  • 社内にノウハウが蓄積される
    「どのような言葉が顧客に響くのか」「どんな色がクリックされやすいか」といった具体的な知見がデータとして残ります。

WebサイトでのABテストのやり方【準備から実施まで】

ABテストを成功させるためには、ただ闇雲にテストを行うのではなく、正しい手順を踏む必要があります。ここでは、準備から実施、分析までの流れを4つのステップに分けて解説します。

仮説立てが重要!改善箇所とデザインの決め方

テストを始める前に最も重要な工程が「仮説立て」です。

アクセス解析ツールなどを用いて、ユーザーが離脱しているページや、クリック率が低いボタンを特定することから始めます。課題が見つかったら、なぜそのような結果になっているのかを分析し、改善策を考えなければなりません。

例えば、商品ページの離脱率が高い場合、「商品の魅力が伝わっていないのではないか」あるいは「購入ボタンが見つけにくいのではないか」といった仮説を立てます。この仮説に基づいて、変更するデザインや文章を決定することが大切です。

【仮説からテスト案を作る流れの具体例】

ステップ内容具体例
1. 課題の特定数値が悪い箇所を見つける商品詳細ページの直帰率が高い。
2. 原因の推測なぜ悪いのかを考えるファーストビューで商品のメリットが一目で伝わっていない可能性がある。
3. 仮説の立案どうすれば解決するか考える商品写真だけでなく、利用シーンが分かる画像に変えれば興味を惹けるはずだ。
4. テスト案具体的なB案を作る「商品単体の画像(A案)」に対し「モデルが使用している画像(B案)」を作成する。

無料プランもあり!自社に合うABテストツールの選定

ABテストを効率的に行うには、専用ツールの導入が欠かせません。

ツールには有料の高機能なものから、無料で手軽に始められるものまで多くの種類が存在します。自社のサイト規模や予算に合わせて選ぶことが推奨されます。

なお、初めて導入する場合は、操作が直感的で、サポート体制が整っているものを選ぶと安心です。

【ツール選定時に確認すべきポイント】

  • 費用の体系
    月額固定制か、従量課金制(PV数などによる変動)かを確認します。無料プランやトライアル期間があるツールもおすすめです。
  • 機能の充実度
    単純なABテストだけでなく、複数の要素を組み合わせる「多変量テスト」や、ユーザー属性ごとに表示を変える「パーソナライズ機能」があるかも確認します。
  • 実装の難易度
    エンジニアがいなくても、タグを埋め込むだけで簡単に管理画面から編集できるタイプが便利です。

テスト実施期間の設定と正確なデータ収集

テスト期間が短すぎるとデータが不足し、長すぎると機会損失につながる可能性があります。

一般的には、平日と休日のユーザー行動の違いを網羅するために、最低でも2週間から1ヶ月程度はテストを実施するのが望ましいです。

また、ECサイトでは給料日前後や季節のイベントによってユーザーの購買意欲が変動するため、こうした外的要因の影響を平準化するためにも、ある程度まとまった期間をとって検証する必要があります。

【テスト期間を決める際の目安】

  • アクセス数が多いサイト
    データが早く集まるため、1〜2週間程度でも判断可能な場合があります。
  • アクセス数が少ないサイト
    統計的に信頼できるデータが集まるまで、1ヶ月以上かかることもあります。
  • 曜日の影響
    特定の曜日だけ売上が高い傾向がある場合は、必ずその曜日を含めて2週間(2サイクル)回すことが推奨されます。

結果の分析と次なる改善施策の立案

テスト期間が終了したら、結果を分析します。

重要なのは「A案の反応が良かった」という結果だけでなく、「なぜ良かったのか」という理由を深掘りすることです。もし仮説通りの反応であれば、その仮説は正しかったことになり、他のページにも応用できる可能性があります。

逆に、期待した結果が出なかった場合も失敗ではありません。「この仮説は間違っていた」という貴重なデータが得られたため、なぜ響かなかったのかを再考し次のテストにつなげることが重要です。

【分析後のアクションプラン】

結果次のアクション
有意差が出て改善した・反応が良かったパターンを本採用し、サイト全体に実装
・別の箇所でのA/Bテストを計画
有意差が出なかった・変更要素のインパクトが弱かった可能性を検討
・デザインや文言をもっと大胆に変えて再テストを実施
改悪してしまった・前の元のパターンに戻す
・改悪理由を検討し、ユーザー心理を再度分析し直す

コンバージョンに直結しやすいABテストの検証箇所

ECサイトには数多くのページや要素がありますが、すべての箇所でテストを行うのは現実的ではありません。

少ない労力で大きな成果を得るためには、売上(コンバージョン)への影響度が大きい箇所を優先的にテストすることが鉄則です。

この見出しでは、特に効果が出やすい2つのポイントを紹介します。

FV(ファーストビュー)の画像とキャッチコピー

ファーストビューとは、ユーザーがページを開いた瞬間にスクロールせずに見える範囲のことです。

Webサイトを訪れたユーザーの多くは、このファーストビューを見て数秒以内に「このサイトを見るかどうか」を判断すると言われています。そのため、ここで離脱を防ぐことができれば、コンバージョン率は大きく向上します。

メインビジュアルの画像や、一番大きく表示されるキャッチコピーは、サイトの印象を決定づける要素です。訴求内容を「価格の安さ」にするのか、「品質の良さ」にするのかを変えるだけでも、反応は大きく変わります。

【ファーストビューでの検証要素例】

要素検証例
メイン画像人物の有無、商品の拡大写真、イラストか写真か、など。
キャッチコピーメリット訴求(例:送料無料)、ベネフィット訴求(例:快適な朝を過ごせる)、権威性訴求(例:ランキング1位)、など。
レイアウト画像を左に置くか右に置くか、文字の大きさやフォントの種類、など。

購入ボタン(CTA)の色やテキストの文言

CTA(Call To Action)と呼ばれる購入ボタンや申し込みボタンも、非常に重要な検証箇所です。ユーザーが購入を決意しても、ボタンが見つけにくかったり、押すのに躊躇するような文言だったりすると、最後の最後で離脱してしまいます。

ボタンの色はサイトの配色の中で目立つ色(アクセントカラー)を選ぶのが基本ですが、赤が良いか緑が良いかはサイトによって異なります。また、ボタン内のテキストも、ユーザーのハードルを下げる工夫が必要です。

【CTAボタンの具体的な改善例】

要素検証例
ボタンの色サイトのベースカラーと対照的な色に変更し、視認性を高めます。立体感をつけて「押せること」を分かりやすくするのも有効です。
ボタンのテキスト「購入する」→「詳しく見る」
「申し込む」→「3分で完了!申し込む」
「登録する」→「無料で登録する」
ボタンの配置とサイズスマホ画面で指が届きやすい位置にあるか、タップしやすい大きさかを確認します。

陥りがちな失敗!ABテストのデメリットと注意点

ABテストは強力な手法ですが、やり方を間違えると誤った判断を下してしまい、かえって売上を下げてしまうリスクもあります。ここでは、初心者が陥りやすい失敗例と注意点について解説します。

検証結果の「統計的有意差」を無視してしまう

ABテストにおいて最も注意すべきなのが、「統計的有意差」の確認です。これは、「その結果が偶然の誤差ではないと統計学的に言える確率のことを指します。

例えば、アクセス数が少ない段階で「B案の方がコンバージョン率が2倍になった」と喜んでテストを止めてしまうのは危険です。母数が少ない場合、たまたま数人が購入しただけで数値が跳ね上がることがあるからです。

ツールが判定する「有意差あり(信頼度95%以上など)」の結果が出るまでは、安易に判断を確定させない忍耐力が求められます。

同時に複数の要素を変更して検証してしまう

早く結果を出したいからといって、キャッチコピーとボタンの色、さらに画像のレイアウトまで一度に変えてテストをしてしまうケースが見られます。しかし、これでは「どの変更が効果を生んだのか」が分かりません。そのため、ABテストの基本は、「変更する要素は一つに絞る」ことです。

【悪いテストと良いテストの違い】

比較項目悪いテスト例良いテスト例
変更箇所画像、見出し、ボタン色を全て変える。「見出しの文言」だけを変える。
結果の解釈なぜ良かったのか分析できない。「文言を〇〇にしたから響いた」と特定できる。
再現性次の施策に活かせない。勝ちパターンを他のページにも横展開できる。

質の高いABテストを継続して行うために重要なこと

ABテストは一度やって終わりではありません。Webサイトの環境やユーザーのニーズは常に変化しているため、継続的に改善を行い続ける姿勢が必要です。

1回で終わらせずPDCAサイクルを回し続ける

ECサイトの改善活動は、PDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Act:改善)サイクルを回し続けることが基本です。一度のテストで劇的な成果が出るとは限らず、小さな改善を積み重ねることで、半年後、1年後に大きな差となって現れます。

また、一度反応が良かったパターンでも、時間が経てばユーザーが飽きてしまい効果が薄れることもあります(サチュレーション効果)。定期的にテストを行い、常に最適な状態を保つ努力が求められます。

PCとスマホで異なるユーザー体験を意識する

現代のECサイトでは、スマートフォンの利用比率が高まっています。しかし、PCとスマートフォンでは画面の大きさだけでなく、ユーザーの操作方法や利用シーンも大きく異なります。

PC向けのテスト結果がそのままスマホにも当てはまるとは限りません。場合によっては、デバイスごとに異なるテストシナリオを用意し、それぞれのユーザー体験(UX)に合わせた最適化を行う必要があります。

【デバイスごとの意識すべき違い】

項目PCユーザースマホユーザー
操作性マウス操作。細かいリンクもクリック可能。指でのタップ操作。ボタンは大きく配置する必要がある。
情報量広い画面で多くの情報を一覧できる。狭い画面のため、縦スクロールが長くなりすぎない工夫が必要。
利用シーンじっくり比較検討する傾向がある。移動中や隙間時間に閲覧し、即決またはお気に入り保存する傾向がある。

リソース不足やノウハウがない場合はプロに相談

ここまで解説した通り、ABテストを正しく行うには、データの分析能力、仮説構築力、デザイン制作スキル、そして実装技術など、多岐にわたるスキルが必要です。

社内のリソースだけでこれらをすべてカバーし、継続的にPDCAを回すのは難しい場合もあります。

もし「何から手をつけていいか分からない」「テストをしているが成果が出ない」といった状況であれば、ABテストやCRO(コンバージョン率最適化)を専門とするプロフェッショナルに相談するのも一つの有効な手段です。

外部の知見を取り入れることで、最短距離で成果を出しましょう。