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ソーシャルギフト導入でEC売上は伸びる?初心者向け導入ガイド
ソーシャルギフトでEC売上は伸びる?本記事では、SNS経由の新規顧客獲得やUGC増加など、導入メリット・デメリットを徹底解説。Eギフトとの違い、ASP・プラットフォームの選び方、手数料まで、EC事業者必見の導入ガイドです。
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SNSの普及と非対面コミュニケーションの増加に伴い、「ソーシャルギフト」がEC(電子商取引)市場で急速に注目を集めています。
ソーシャルギフトは、LINEやX(旧Twitter)などのSNSを通じて、相手の住所を知らなくても手軽にギフトを贈れるサービスですが、EC事業者がこの機能を導入することは、売上向上に直結するのでしょうか。
本記事では、ソーシャルギフトの基本的な仕組みから、EC事業者が導入する具体的なメリット・デメリット、成功の鍵までを網羅的に解説します。これから導入を検討する運営者必見のガイドです。
目次
ソーシャルギフト導入が注目される理由

なぜ今、多くのEC事業者がソーシャルギフトの導入に踏み切っているのでしょうか。その背景には、消費者のライフスタイルやコミュニケーション手段の大きな変化が存在します。
<ソーシャルギフトが注目される現代の背景>
- SNSの日常化
LINE、Instagram、X(旧Twitter)などが主要なコミュニケーションインフラとなり、本名や住所を知らない「SNS上の友人」との交流が増加 - 非対面ニーズの増加
リモートワークの普及や感染症対策意識から、直接会わずに感謝やお祝いの気持ちを伝えるニーズの高まり - 「住所を聞く」ハードル
親しい間柄でも、改めて住所を尋ねることは手間であり、相手に気を遣わせてしまう側面がある - カジュアルギフト市場の拡大
大げさな贈り物ではなく、「ちょっとしたお礼」や「応援の差し入れ」といった、少額・高頻度のカジュアルなギフト需要の伸び
これらの背景から、「住所不要で、SNSで手軽に贈れる」ソーシャルギフトは、現代のニーズに的確に応えるサービスとして、多くの消費者と事業者の双方から支持を集めているのです。
ソーシャルギフト導入でEC事業者が得るものは?
EC事業者がソーシャルギフトを導入する最大の目的は、売上機会の創出にあります。
結論から言えば、ソーシャルギフトは従来のECサイト運営では捉えきれなかった新しい顧客層や利用動機を開拓し、事業成長に貢献する可能性を秘めています。
新規顧客との接点拡大(SNS経由)

ソーシャルギフトは、既存の顧客が「贈り手」となり、その友人や知人である「受け取り手」を、新しい顧客としてECサイトに連れてきてくれる仕組みです。
受け取り手は、ギフトを受け取る過程でそのECサイトやブランドを初めて認知することがあります。もし受け取った商品やブランド体験が良ければ、その受け取り手が将来的に「購入者」としてリピーターになる可能性が生まれます。
▼顧客接点の拡大イメージ
| 従来のEC | ソーシャルギフト導入EC | |
| アプローチ | 広告、SEO、SNS運用で新規顧客に直接アプローチ | 既存顧客(贈り手)を介して、その友人(受け取り手)に間接的にアプローチ |
| 認知経路 | 広告、検索、まとめサイト | SNSのDM、友人からの口コミ |
| 信頼度 | 初回訪問時は低い | 友人からのギフトであるため、初期の信頼度や期待値が高い |
既存顧客の「ついで買い」以外の利用促進
多くのECサイトでは、既存顧客の利用は「自分のための購入」や「家族のための購入(ついで買い含む)」が中心でした。
しかし、ソーシャルギフト機能を導入することで、既存顧客に対して「誰かに贈るため」という、まったく新しい利用動機を提供できます。
これは、従来「ギフトは住所を聞かないと贈れない」という理由でECサイトでの購入を諦めていた層の需要を掘り起こすことにつながります。
<利用シーンの創出例>
- リモートワーク中の同僚への差し入れ
- SNSで知り合った趣味仲間への誕生日プレゼント
- 遠方の友人へのちょっとしたお礼
住所を知らない相手にも贈れる手軽さ
ギフト市場において、購入の最大のハードルの一つが「配送先住所の確認」です。
相手の住所を知らない、または、わざわざ聞くのがためらわれるケースは非常に多く、これがギフト購入の機会損失につながっていました。
ソーシャルギフトは、この障壁を完全に取り払います。購入者はSNSアカウントやメールアドレスさえ知っていればよく、受け取り手が自分で住所を入力する仕組みが、贈り手と受け取り手双方の心理的・時間的コストを大幅に削減します。
そもそもソーシャルギフトサービスとは?Eギフトとの違い

ソーシャルギフトの導入を検討する前に、その定義と仕組みを正確に理解しておく必要があります。類似した言葉である「Eギフト」との違いも整理します。
ソーシャルギフトの基本的な仕組みを解説
ソーシャルギフトは、購入者が発行した専用URLをSNSやメールで送付し、受け取り手がそのURLから自身で配送先情報を入力することで商品が届けられるサービスです。
▼購入から配送までの流れ(フロー)
- 購入者
ECサイトで商品を選び、「ソーシャルギフトで贈る」を選択して決済します。 - システム
決済完了後、受け取り手専用のURL(住所入力フォームへのリンク)が発行されます。 - 購入者
発行されたURLをコピーし、LINE、InstagramのDM、メールなどで相手に送信します。 - 受け取り手
届いたURLを開き、ギフトの内容を確認後、自分自身の氏名、住所、電話番号、希望配送日時などを入力します。 - EC事業者
システムを通じて受け取り手の住所情報を確認し、商品を梱包・発送します。
この仕組みにより、購入者は相手の住所を知る必要がなく、受け取り手は自分の都合の良い住所・日時で受け取ることが可能となります。
Eギフト(オンラインギフト)との微妙な違い
「ソーシャルギフト」と「Eギフト(またはオンラインギフト)」は、しばしば混同されがちですが、以下のような違いがあります。
Eギフト (e-Gift)は、デジタル技術を活用したギフト全般を指し、ソーシャルギフト(Social Gift)もEギフトの一形態ですが、特に「SNSなどを介してURLを送り、受け取り手が住所を入力することで実物商品(モノ)が配送される」仕組みを指す場合が多いです。
そのため、EC事業者が扱う(配送が必要な)有形商材の場合、導入を検討するのは後者の「ソーシャルギフト」機能となります。
| 項目 | Eギフト(広義・デジタル券型) | ソーシャルギフト(配送型) |
| 主な商品 | コーヒーチケット、ギフトコード、電子マネー | お菓子、雑貨、コスメ、食品、飲料など |
| 実物配送 | 原則不要 | 必須 |
| 住所入力 | 不要 | 受け取り手が行う |
| 送付手段 | メール、SNS、アプリ | SNS、メール、SMSなど |
どんなSNSでギフトが送れるの?
ソーシャルギフトは、特定のアプリに限定されるものではありません。システムから発行される「専用URL」を相手に送ることができれば、あらゆるコミュニケーションツールで利用が可能です。
- LINE (個人チャット、グループチャット)
- X (旧Twitter) のダイレクトメッセージ
- Instagram のダイレクトメッセージ
- Facebook Messenger
- 電子メール
- SMS (ショートメッセージサービス)
- Slack、Teamsなどのビジネスチャット
この汎用性の高さが、ソーシャルギフトの大きな強みです。
EC運営者が知るべき導入のメリット・デメリット
便利なソーシャルギフトですが、EC事業者にとって万能というわけではありません。導入を判断する前に、メリットとデメリット(コスト)を正しく把握することが重要です。
メリット1:SNSでの拡散(UGC)が期待できる
ギフトを受け取った体験は、ポジティブな感情と結びつきやすく、SNSへの投稿(UGC:ユーザー生成コンテンツ)につながりやすいという大きなメリットがあります。
「友人からこんな素敵なギフトが届いた!」という投稿は、商品の写真と共にSNS上で拡散される可能性があります。
これは、贈り手だけでなく「受け取り手」起点でのプロモーションとなり、広告費をかけずにブランドの認知度を高める効果が期待できます。
メリット2:若年層へのアプローチ強化
SNSを日常のインフラとして使いこなすZ世代などの若年層は、電話番号や住所よりも先にSNSアカウントを交換することが一般的です。
彼らにとって、「住所を聞かずにLINEやDMで完結する」ギフト体験は非常に親和性が高く、受け入れられやすいものとなります。
これまで自社ECの顧客層が高齢化していたり、若年層へのアプローチに課題を感じていたりした場合、ソーシャルギフトの導入は有効な一手となり得ます。
デメリット:手数料と運用リソースの発生
導入にはコストとリソースが伴います。これが最大のデメリットであり、検討すべき点です。
次の表は、導入に伴う主なデメリットについてまとめたものです。これらのコストやリソースを許容できるか、また、それに見合うリターン(売上、新規顧客獲得)が見込めるかを事前に試算することが求められます。
| 項目 | 詳細 |
| 金銭的コスト | 初期導入費用 システム導入時に発生する費用 月額固定費 毎月発生するシステム利用料 販売手数料 ソーシャルギフト経由の売上に対して発生する手数料(例:売上の5%~10%など) |
| 運用リソース | オペレーションの複雑化 通常の注文とソーシャルギフトの注文(住所未確定状態)を分けて管理するフローが必要 問い合わせ対応 受け取り手の住所入力方法、有効期限切れなど、特有の問い合わせ対応が発生 |
| システム連携 | 自社が利用するECカートシステムや受注管理システム(OMS)、在庫管理システム(WMS)と、導入するソーシャルギフトシステムがスムーズに連携できるかの確認が必要 |
ソーシャルギフト導入の2つの主要パターンと選び方
EC事業者がソーシャルギフトを導入するには、大きく分けて2つの方法があります。自社の規模や目的、かけられるコストに応じて最適なパターンを選択することが重要です。
| 比較軸 | 1. プラットフォーム出店 | 2. 自社ECへのシステム導入 |
| おすすめの企業 | ・まず低リスクでソーシャルギフトを試したい ・自社の知名度を上げたい ・EC運営リソースが少ない | ・すでに自社ECの顧客基盤がある ・ブランドの世界観を重視したい ・顧客データを活用したい |
| 集客 | モール任せ(依存) | 自社で行う(必須) |
| ブランド表現 | モールの規格に準拠 | 自由度が高い |
| コスト構造 | 初期費用(低)+販売手数料(高) | 初期費用(中~高)+月額費用(中)+販売手数料(低) |
| 導入スピード | 早い | やや時間がかかる(連携設定) |
1. ギフト特化型プラットフォームへの出店
これは、すでにソーシャルギフト機能を持つ大手ECモール(例:giftee、TANP、LINEギフトなど)に、テナントとして自社の商品を出店する形態です。
| メリット | ・モールの強力な集客力を利用できる。 ・システム開発が不要で、比較的スピーディに出店、販売開始が可能。 ・ギフトに関心が高いユーザー層に直接アプローチできる。 |
| デメリット | ・販売手数料が比較的高額になる傾向がある。 ・モールのデザインフォーマットに従うため、自社ブランドの世界観を出しにくい。 ・顧客データが自社に蓄積されにくい。 |
2. 自社ECサイトへのシステム(ASP)導入
これは、Shopify、futureshop、ecbeingなどの自社ECサイト(カートシステム)に、ソーシャルギフト機能を提供する外部のASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスを連携させる形態です。
| メリット | ・自社ECサイト内で機能を完結でき、ブランドの世界観を維持できる。 ・購入者、受け取り手両方の顧客データを自社で蓄積できる。 ・データ分析し、CRM(顧客関係管理)に活用できる。 ・プラットフォーム型に比べ、販売手数料が安価な場合が多い。 |
| デメリット | ・初期費用や月額のシステム利用料が発生する。 ・集客は自社で(広告やSNS運用などで)行う必要がある。 ・既存のECシステムとの連携設定が必要。 |
【具体例】ソーシャルギフト活用アイデア
ソーシャルギフト機能を導入したら、それを積極的に活用するシーンをECサイト側から提案することが売上アップにつながります。
季節のイベント(母の日、バレンタイン)
住所確認の手間が省けるソーシャルギフトは、物量が集中する季節のイベントと非常に相性が良いです。
- 母の日・父の日
「住所を知らないパートナーのお義母さんにも、サプライズで贈れる」といった、手軽さを訴求します。 - バレンタイン・ホワイトデー
職場や学校で直接渡すのが難しい場合の「義理チョコ」「友チョコ」需要に応えます。「お返しをしたいけれど、相手の住所を知らない」というホワイトデー特有の悩みも解決できます。 - クリスマス
SNSで交流のある友人同士でのプレゼント交換(オンライン)などに活用できます。
ちょっとしたお礼(オンラインギフト おすすめ)
ソーシャルギフトの強みは、高価なフォーマルギフトよりも、「500円~3,000円程度」のカジュアルなギフト(プチギフト)で発揮されます。
オンラインギフトとしておすすめの、低価格帯商品を「ソーシャルギフト対応」に設定することで、新たな需要を掘り起こせます。
- ビジネス
オンライン会議でサポートしてくれた他部署の同僚へ(お礼のコーヒーセットなど) - プライベート
SNSで趣味の情報を交換している友人へ(誕生日に相手の好きな雑貨など) - お詫び・お礼
ちょっとしたお詫びや、些細な親切へのお礼(気を遣わせないお菓子など) - キャンペーン
企業のSNSキャンペーンの景品(当選者から住所を回収する手間と個人情報漏洩リスクを削減できる)
導入成功の鍵は「贈りたい」と思わせる商品設計
ソーシャルギフトのシステムを導入するだけで、自動的に売上が伸びるわけではありません。最も重要なのは、「これを誰かに贈りたい」と購入者に思わせる商品設計と見せ方です。
| ポイント | 詳細 |
|---|---|
| パッケージのデザイン性 | 受け取った相手が、思わずSNSに投稿(UGC)したくなるような、写真映えするパッケージやラッピングは非常に重要 |
| 手頃な価格帯の充実 | 1,000円、1,500円、2,500円といった、相手に気を遣わせすぎない価格帯のギフト商品を戦略的に開発・配置することが求められる |
| ストーリーとメッセージ性 | 「なぜこの商品を贈るのか」という理由(商品のこだわり、開発秘話、社会貢献性など)を明確にし、商品ページで伝えることが共感を呼ぶ |
| デジタルメッセージカード | 商品(URL)だけでなく、購入者が作成したオリジナルのメッセージカード(画像やテキスト)を添えて送れる機能があれば、ギフト体験の価値はさらに高まる |
顧客の不安を解消!よくある質問(Q&A)
ソーシャルギフトは比較的新しいサービスであるため、購入者・受け取り手の双方が不安を感じる点もあります。ECサイト上でFAQページを設けるなど、これらの不安をあらかじめ解消しておくことが重要です。
Q. 注文したら身バレする?個人情報は?
ソーシャルギフトの仕組みは、贈り手と受け取り手のプライバシーが守られるように設計されていますが、EC事業者は、次のようなプライバシー保護の仕組みをサイト上で明記し、顧客に安心して利用してもらう必要があります。
- 贈り手(購入者)の個人情報(氏名、住所、電話番号など)は、受け取り手には一切表示されません。
- 受け取り手が入力した配送先住所や電話番号は、贈り手(購入者)には一切通知されません。
Q. ソーシャルギフトの受け取り方は簡単?
一般的には、プレゼント用のURLを受け取ることができ、そのURLを閲覧できるデバイス(スマートフォンやパソコン等)を持っていれば、非常に簡単なステップで受け取ることができます
Q. 有効期限などの注意点はある?
ソーシャルギフトには、受け取り手が住所を入力するための「有効期限」が設定されていることが一般的です。(例:URL発行から7日後、14日後まで)
EC事業者は、以下の点を必ず顧客(贈り手)に明示し、受け取り手にも適切に伝わるようにしなければなりません。
- 住所入力の有効期限(例:ご注文から○日間)
- 有効期限までに住所入力がなかった場合の対応
( 贈り手に商品が配送される/注文がキャンセルされ購入者に全額返金される)
この対応は利用するシステムによって異なるため、導入時に必ず確認が必要です。
まとめ:ソーシャルギフト導入で新たな顧客体験を
ソーシャルギフトの導入は、単なる販売チャネルの追加ではなく、ECサイトが「人と人とのつながり」をサポートし、新たな顧客体験を提供するという大きな変革をもたらします。
住所を知らない相手にもSNSで手軽に贈れるという利便性は、これまでECサイトを利用していなかった層や、ギフト購入をためらっていた層の需要を喚起します。また、UGCによるSNSでの拡散は、広告費に頼らない新規顧客の獲得にも貢献するでしょう。
もちろん、導入にはコストや新たな運用フローが発生するというデメリットも存在します。自社の商材、顧客層、リソースを考慮し、最適な導入パターン(プラットフォーム出店か、自社ECへのシステム導入か)を選択することが成功への第一歩となります。
ソーシャルギフト導入、自社だけで悩んでいませんか?
「自社の商品とソーシャルギフトの相性はどうか?」
「プラットフォーム出店とASP導入、どちらが自社に合っている?」
「導入後の運用フローが不安だ」
ソーシャルギフトの導入は、EC運営における重要な戦略判断です。もし導入や運用に関して疑問や不安をお持ちなら、専門家の知見を活用することも一つの方法です。
私たちは、多くのECサイトの立ち上げから運用改善、売上向上までを支援してきたEC運営のプロフェッショナルです。ソーシャルギフトの最新動向や各システムの特性を熟知しており、御社の状況や商材に合わせた最適な導入プランをご提案できます。
