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失敗しないEC運営代行の選び方を紹介!重要な選定ポイントと費用相場も解説
ECサイトの売上を最大化する運営代行の選び方とは?7つの比較ポイントで契約後のミスマッチを防ぎます。依頼できる業務範囲や費用相場はもちろん、実績豊富な会社の探し方まで解説。EC事業を成功に導く一社を見つけましょう。
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インターネット通販、いわゆるEC(電子商取引)は、今や私たちの生活に欠かせないものとなりました。
手軽に始められる一方で、ECサイトの運営は商品の企画から集客、顧客対応まで多岐にわたる業務が求められ、「売上が伸び悩んでいる」「日々の業務に追われて新しい施策が打てない」といった悩みを抱える事業者様も少なくありません。
EC運営代行は、こうした課題を解決し、事業成長をサポートする専門家集団です。
この記事では、EC運営代行の基本的な知識から、自社に最適なパートナーを見つけるための具体的な比較ポイント、費用相場までを分かりやすく解説していきます。
目次
「EC運営のお悩み」一人で抱えていませんか?運営代行で解決できること
EC市場は拡大を続け、経済産業省の調査によると物販系BtoC-EC市場規模は令和4年に22.7兆円(経済産業省「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」)を突破し、今後も市場の拡大が見込まれています。
そのような時代の中で、さらなる売り上げの拡大や、競合他社との競争に打ち勝つためには、想像以上に多くの時間と専門知識が必要となり、人手不足やノウハウ不足といった課題を抱える事業者も増えてきています。
そのため、EC運営課題を解決する手段として、代行業者を活用する事業者も少なくありません。
そもそもECサイト運営代行とは?

ECサイト運営代行とは、その名の通り、オンラインストアの運営に関わる様々な業務を、事業者に代わって行ってくれるサービスです。
ECサイト運営には、商品を売るための戦略立案から、日々の地道な作業まで、非常に幅広い業務が存在します。これらの業務の一部、あるいは全てを専門の会社に委託することで、事業者はより重要な業務に集中することが可能です。
具体的にどのような業務を依頼できるのか、代表的なものを以下の表にまとめました。
業務カテゴリ | 具体的な業務内容の例 |
戦略・コンサルティング | ・市場調査、競合分析 ・売上向上のための戦略立案 ・KPI(重要業績評価指標)設定と管理 |
フロント業務(売上を作る業務) | ・ECサイトのデザイン制作、更新 ・商品の写真撮影、原稿作成(ささげ業務) ・Web広告の運用(リスティング広告、SNS広告など) ・SEO対策(検索エンジン最適化) ・SNSアカウントの運用、メールマガジン配信 |
バックヤード業務(サイトを支える業務) | ・商品の受注処理、在庫管理 ・顧客からの問い合わせ対応(カスタマーサポート) ・商品の梱包、発送(物流) |
業務委託するメリット・デメリットを解説

EC運営代行の利用を検討する際には、メリットだけでなくデメリットも理解しておくことが重要です。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
リソース | ・人手不足を解消できる ・本来注力すべきコア業務(商品開発など)に集中できる | ・外部に委託するためのコストが発生する |
専門性 | ・プロの知識や最新ノウハウを活用できる ・自社だけでは難しい高度な施策を実施可能になる | ・社内に運営ノウハウが蓄積されにくい場合がある |
効率 | ・採用や教育にかかる時間とコストを削減できる ・客観的な視点からの分析や改善提案が期待できる | ・代行会社との情報共有や連携に手間がかかることがある |
その他 | ・売上向上のスピードアップが期待できる | ・自社の情報(売上データなど)を外部に共有する必要がある |
EC運営代行会社の選び方|7つの重要ポイント
自社に最適なEC運営代行会社を見つけるためには、いくつかの重要なポイントを押さえて比較検討する必要があります。ポイントを抑えることで、「期待していた成果が得られなかった」などの契約後のミスマッチを最小限にすることが可能です。
「これから代行を探す方」や「現在探している方」は、以下の失敗しないための7つのポイントを確認しておきましょう。
【重要な7つポイント】
1.自社課題と依頼範囲の明確化
2.代行業者ごとの得意領域や実績の把握
3.対応可能範囲の確認
4.料金体系と相場の比較
5.契約形態と期間の柔軟性
6.コミュニケーションの円滑さ
7.レポートや改善提案の質
次の見出しでは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
1. 自社の課題と依頼したい業務範囲を明確にする
まず最初に、「何に困っていて、何を解決してほしいのか」を自社で明確にすることが大切です。「売上が伸びない」「人手が足りない」「広告の運用方法が分からない」など、具体的な課題をリストアップしましょう。課題が明確になれば、どの業務を代行会社に依頼すべきかが見えてきます。
- 課題の例
- 売上が目標に届かない
- 新規顧客の獲得ができていない
- 日々の受注処理や問い合わせ対応に追われている
- サイトのデザインが古く、使いにくい
- 依頼したい業務範囲の例
- 集客(広告運用、SEO対策)
- サイト更新、商品登録
- 顧客対応
- 戦略立案のサポート
2. 代行業者の得意領域や実績を確認する
運営代行会社には、それぞれ得意な分野があります。自社の商材やECサイトのタイプ(自社ECか、楽天・AmazonなどのECモールか)と、代行業者の得意分野が合っているかを確認しましょう。
得意な商材ジャンル | アパレル、食品、化粧品など、特定のジャンルに強みがあるか否か |
得意なECプラットフォーム | Shopify、楽天市場、Amazonなど、 どのプラットフォームでの運用実績が豊富か |
過去実績 | これまでに具体的な成功事例があるか |
3. 対応可能な業務範囲はどこまでか
代行会社によって、対応してくれる業務の範囲は異なります。戦略立案から広告運用、サイト制作、日々の更新作業、さらには顧客対応や物流まで、どこまでをワンストップで任せられるかを確認することは非常に重要です。
特に、自社が依頼したい業務が、その会社のサービス範囲に含まれているか、必ずチェックしてください。
業務カテゴリ | 具体的な内容 |
サイト構築・デザイン | ECサイトのデザイン、コーディング、ページ制作、既存サイトのリニューアルなど |
商品登録・在庫管理 | 商品情報登録、商品写真の加工、在庫数の更新、商品の受発注管理など |
マーケティング・集客 | リスティング広告・SNS広告の運用、SEO対策、メルマガ配信、コンテンツ企画・制作など |
倉庫管理・物流代行 | 商品の入庫・検品、ピッキング、梱包、出荷、返品対応など |
顧客対応 | メールや電話での問い合わせ対応、クレーム対応、レビュー管理など |
分析・コンサルティング | データ分析、市場調査、コンサルティング、モール出店サポートなど |
4. 料金体系と費用相場を比較検討する
料金体系は、主に「固定報酬型」「成果報酬型」「ハイブリッド型」の3種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社の予算や状況に合ったプランを選ぶことが求められます。
費用だけで判断するのではなく、提供されるサービス内容と見合っているか、コストパフォーマンスを慎重に検討しましょう。
なお、詳しい説明については、以下の見出しで解説します。
► ECサイト運営代行の費用相場は?
5. 契約形態と期間の柔軟性を確認する
契約に関する条件も重要な比較ポイントです。特に、最低契約期間がどのくらいに設定されているかは必ず確認してください。
一般的には3ヶ月~1年程度の期間が設定されていることが多いですが、まずは短期間で試してみたいという場合には、柔軟に対応してくれる会社を選ぶと安心です。
また、契約内容の変更や解約時の条件についても事前に確認しておきましょう。
6. コミュニケーションの円滑さを見極める
EC運営を成功させるためには、代行会社との円滑なコミュニケーションが欠かせません。会社のパートナーとして、信頼関係を築ける相手かどうかを見極めることが重要です。
コミュニケーションの見極めポイントは、主に以下の3点です。
- 報告の頻度と方法
定例ミーティングの有無、レポートの提出頻度、連絡手段(電話、メール、チャットツールなど)を確認します。 - 担当者の専門性や人柄
質問に対して的確に答えてくれるか、自社のビジネスへの理解度が高いかなど、打ち合わせを通じて担当者のスキルや相性を見ましょう。 - レスポンスの速さ
問い合わせや相談に対する返信が迅速かどうかも、信頼性を判断する材料となります。
7. レポート内容と改善提案の質
毎月のレポートが、ただ数値を並べただけのものではいけません。重要なのは、その数値に基づいて「なぜそうなったのか」という分析と、「次に何をすべきか」という具体的な改善提案があるかどうかです。質の高いレポートと提案は、事業を成長させるための羅針盤となります。
ただし、契約前で自社のレポートを提出してもらうことは難しいことが多いです。そのためレポートの質を確かめたい場合は、契約前の打ち合わせ時に、レポートのサンプルを見せてもらえるか確認してみると良いでしょう。
EC運営代行の依頼前に知っておきたい費用と種類
EC運営代行を検討する上で、費用と代行会社の種類を理解しておくことは不可欠です。ここでは、それぞれの相場や特徴について解説します。
ECサイト運営代行の費用相場は?
費用は依頼する業務範囲やサイトの規模によって大きく変動しますが、一般的な相場は以下の通りです。
料金体系 | 月額費用の相場 | 特徴 |
---|---|---|
固定報酬型 | 10万円~50万円以上 | ・毎月決まった額を支払う ・予算が立てやすい |
成果報酬型 | 売上の5%~20% | ・売上に応じて費用が変動する ・リスクは低いが、売上が大きいと費用も高額になる |
複合型 | 固定費(5万円~) + 成果報酬(売上の1%~10%) | ・固定費と成果報酬を組み合わせた形 ・安定した運用と成果へのインセンティブを両立できる |
・固定報酬
毎月一定の金額を支払う料金体系です。
作業量や業務内容に基づいて費用が決まるため、予算管理がしやすいというメリットがあります。一方で、期待した成果が出なかった場合でも費用が発生する点は注意が必要です。
・成果報酬
売上や利益など、あらかじめ設定した成果に応じて報酬を支払う体系です。
売上が上がらなければ費用負担を抑えられるため、特に立ち上げ初期のECサイトにとっては導入しやすいでしょう。ただし、売上が大きく伸びた際には、支払う報酬も高額になる可能性があります。
・複合型
月額の固定費に加えて、成果に応じた報酬を支払うハイブリッドな料金体系です。
代行会社にとっては安定した収益基盤となり、依頼主にとっては成果への強いコミットメントを期待できるため、近年増えている形態です。
運営代行会社の種類と特徴
EC運営代行会社は、その得意分野によっていくつかのタイプに分けられます。自社の課題に合わせて、どのタイプの会社が最適かを見極めましょう。
会社の種類 | 特徴 | こんな企業におすすめ |
コンサルティング特化型 | ・売上向上のための戦略立案やデータ分析が中心 ・市場調査や競合分析に強く、具体的な改善提案を行う | ・売上が伸び悩んでおり、根本的な原因を解決したい ・社内に実行部隊はいるが、戦略を立てる人材がいない |
実務作業特化型 | ・サイトの更新、商品登録、受注処理などの実務作業を代行 ・Web広告の運用やSNS投稿など、特定の作業を請け負う | ・日々のルーティンワークに追われて人手が足りない ・特定の業務(広告運用など)だけをプロに任せたい |
モール特化型(楽天など) | ・楽天市場やAmazonなど、特定のECモールでの運営に特化 ・各モールのルールやアルゴリズムを熟知している | ・楽天市場やAmazonなど、特定のモールでの売上を最大化したい ・モールの複雑な規約や広告運用に対応できない |
EC運営代行に関するよくある質問
ここでは、EC運営代行の利用を検討する際によく寄せられる質問にお答えします。
Q. 個人・小規模サイトでも依頼できますか?
A. はい、多くの代行会社が対応しています。
個人事業主や小規模なECサイトを対象としたプランを用意している会社は数多く存在します。業務内容次第ではありますが、月額数万円から依頼できるケースもありますので、まずは複数の会社に問い合わせて、自社の規模や予算に合ったプランがあるか相談してみると良いでしょう。
Q. 契約前に準備すべきことはありますか?
A. 自社の現状と目標を整理しておくことが重要です。
契約をスムーズに進めるために、以下の点を事前にまとめておくと良いでしょう。
・現状課題や改善したい内容
・目標(KGI/KPI)
・予算(代行費用/広告費など)
・依頼したい業務範囲
・サイトの各種データ
Q. 成果が出るまでにどのくらいかかりますか?
A. 一般的には3ヶ月~半年程度が目安ですが、施策内容や目標によって異なります。
SEO対策やブランディングなど、中長期的な視点が必要な施策は効果が出るまでに時間がかかる傾向があります。一方で、Web広告の改善などは比較的短期間で効果が現れることもあります。すぐに結果を求めるのではなく、代行会社と協力しながら、継続的に改善を重ねていく姿勢が大切です。
まとめ:最適なパートナーを見つけてEC事業を加速させよう
ECサイト運営は、もはや片手間で行えるほど簡単なものではありません。専門的な知識と多くのリソースが求められる中で、運営代行会社は事業を成功に導くための強力なパートナーとなり得ます。
また、適切なパートナー選びを行うことで、その効果を最大化させることができるため、本記事で紹介した「選び方のポイント」を参考に、ぴったりな代行業者を探してみてください。
なお、当社では、無料マッチング相談を実施しております。EC代行業者探しを始めたものの、「なかなかしっくりくるパートナーが見つからない」「候補はあるけれども、本当にその業者で良いのか不安」といったお悩みを抱えていましたら、ぜひ気軽にご活用ください。