- #コラム
サーバー?ドメイン?そしてSSLとは?
WEB・ECサイトの仕組みの根幹をなす「サーバー」「ドメイン」「SSL」について解説。それぞれの役割や種類、安全なサイト運営に不可欠な理由をわかりやすく説明します。
1
公開日
/
更新日

WEBサイトをインターネット上に公開し、安定して運用するためには、サーバー、ドメイン、そしてSSLという3つの要素が不可欠です。
ここでは、それぞれの要素がWEBサイト運営においてどのような役割を果たすのか、詳しく解説します。
1. サーバー (Server)
インターネットなどのネットワークを通じて、利用者にサービスを提供するコンピューターやプログラムのことです。
WEBサイトにアクセスする際、ユーザーの端末(パソコンやスマートフォン)からWEBサーバーに「特定のページを開きたい」という要求(リクエスト)が送られます。WEBサーバーは、その要求に対して該当のページのデータを探し出し、ユーザーの端末へ送り返す(レスポンス)ことで、画面にページが表示されます。
サーバーには、利用環境や用途に応じて様々な種類があります。
- 環境別のサーバーの種類
- 物理サーバー
- 専用サーバー:1台のサーバーを専有し、高度なセキュリティが必要な場合に適しています。
- レンタルサーバー:サーバーを複数のユーザーで共有する形式で、スピーディーかつ安価に利用できます。
- 仮想サーバー
VPS (Virtual Private Server):クラウド上のサーバーに利用者ごとの専用環境を構築します。専用サーバーほどではないものの、セキュリティが高いのが特徴です。 - クラウドサーバー:クラウド上のサーバーに、必要な機能や容量を自由に設定して利用できます。柔軟性が高く、コストは設定・利用料に応じた従量課金制です。
- 物理サーバー
- 用途別のサーバーの種類
- WEBサーバー:WEBサイトのデータ(HTML、CSS、画像ファイルなど)をユーザーに送り返すサーバーです。
- メールサーバー:メールを送受信するためのサーバーで、送信側と受信側で種類が分かれています(SMTPサーバー、IMAP/POP3サーバー)。
- ファイルサーバー:ネットワーク上でデータを共有・使用するためのサーバーです。
- DBサーバー:データベースを蓄積・整理し、要求に応じてデータを送り返すサーバーです。
- FTPサーバー (File Transfer Protocol):WEBサーバーとのファイルの送受信を行うサーバーです。
- DNSサーバー (Domain Name System)利用者のリクエストに応じて、IPアドレス(WEB上の住所)とドメイン(WEBサイトの名前)を結びつける役割を担います。
2. ドメイン (Domain)
ドメインは、WEBサイトの「名前」のようなもので、インターネット上の「住所」であるIPアドレス(数字の羅列)を、人間が分かりやすい任意の文字列に変換したものです。独自のドメインは世界に一つしかなく、これを使用することでサイトの信頼性が高まります。また、ドメインはメールアドレスとしても使用できます。
ドメインの「.」で区切られた右端(例のjpやcom部分)をTLD(トップレベルドメイン)と呼び、用途により、様々に分類されます。
▽ccTLD(国コードトップレベルドメイン)
国や地域に割り当てられているドメイン。
その地域に居住する、個人や団体でなければならない場合があります。
例)
.jp:日本を意味するドメイン
.us:アメリカを意味するドメイン
.uk:イギリスを意味するドメイン
.fr:フランスを意味するドメイン
▽gTLD(分野別トップレベルドメイン)
用途や分野別に世界中の誰でも自由に登録できるドメイン。
例)
.com:商用サービスや企業向けのドメイン
.net:ネットワークに関するサービス向けのドメイン
.biz:ビジネスや企業向けのドメイン
.info:情報発信・口コミ向けのドメイン
.org:組織や非営利団体向けのドメイン
▽新gTLD(新トップレベルドメイン)
2012年以降に新たに創られたドメイン
例)
.site:WEBサイト全般に合うドメイン
.blog:ブログを意味するドメイン
.cloud:クラウドを意味するドメイン
.app:アプリケーションやゲーム向けのドメイン
▽属性型jp
企業や大学など組織ごとに分けられたドメイン。登録要件があり、1組織が登録できる数は1種類のみです。登録要件が厳格なため、ユーザーへ安心感と信頼を得やすいので、企業や各種団体の公式ホームページとして利用されることが多いです。
例)
.co.jp:日本国内で登記を行っている会社向けのドメイン
.or.jp:財団法人・社団法人・特殊法人向けのドメイン
.ac.jp:高等教育機関および学校法人向けのドメイン
.go.jp:日本の政府機関や各省庁所管の研究所向けのドメイン
.ne.jp:日本国内のサービス提供者によるネットワークサービス向けのドメイン
ドメインは、取得サービスを提供するベンダーに申し込み、維持費用を支払う必要があります。
3. SSL(Secure Sockets Layer)
インターネット上のデータを暗号化して送受信する技術の一つです。最近では、SSLから進化したTLS(ティ エル エス)Transport Layer Security(トランスポート レイヤー セキュリティ)が、主流ですが、SSLの方が認知度が高いため、TLSのことも含めてSSLと表現をしたり、「SSL/TLS」「TLS/SSL」のように併記して表記される事が多いです。
HTTPS(エイチティティピーエス)と HTTP(エイチティティピー)の違い
SSL/TLSの暗号化通信が行われていると、サイトURLの先頭が「https://~」のように表記されます。
例)
・https://example.co.jp/ →SSLを設定しているサイト
・http://example.co.jp/ →SSLを設定していないサイト
SSLが設定されていない場合、サイトが、悪意を持った第三者から簡単に「なりすまし」「盗聴」「改ざん」される危険性があります。
SSLを設定することで、送信するファイルを保護(暗号化)するとともに、送信されるファイルが改ざんされていないことや、サイト運営者の実在性を証明することができ、安全性を高めることができます。
過去には、情報を入力するページ(問い合わせフォームや注文情報入力)にのみ、SSLを設定するというケースもありましたが、現在ではすべてのページをSSL化(常時SSL化)することが推奨されています。
常時SSL化をすることで、安全性が高まることはもちろん、GoogleやYahooなどの検索エンジンの表示順位の改善にもつながります。
サーバー・ドメイン・SSLと、サイト公開に必要な対応も、最初の設定だけでなく、定期的な更新や、仕様の変更等に伴うイレギュラー対応など、様々な対応が必要になりますが、aroundsでは、そういった対応のフォローもさせていただいております。